ライターキャリア12年目に突入したばぶです。勢いで独立してようやくいい感じに仕事が回るようになってきた昨今。
ある日、おたよりさんに聞かれました。
ばぶちゃん、今から未経験・実績ゼロでライターになるなら、どんな風に攻略していく?
我らゲーム大好き人間。攻略情報は調べるのも語るのも大好き。キャリアデザインもいわば人生ゲームの攻略のようなもの。
そんなん、最初からクライマックスで最大効率目指すに決まってんじゃん!!
私自身の「あの時ああしておけば良かった」「こうすればこの失敗は避けられた」を振り返りながら、今のWebライター界隈の状況を踏まえて、私が未経験で実績もない初心者ライターだったらどう攻略していくかを解説していこう。
Webライターに限らず、フリーランスは自分の持っているスキル、経験、資格をクライアントの問題を解決することで換金する。
つまり、自分が今持っている手札の中で、一番換金効率が良く、市場価値が高いものを、把握しておく必要があるわけだ。
まずは、以下の5つの項目について、徹底して洗い出しをしよう。
この作業は、自分が一体どんな切り札を持っているのかを明らかにするものだ。
内容や項目が重複して構わないから、5枚の紙に思い付くかぎり書き出していこう。
くだらないと思ったり、些細なことだと思っても、すべて書き出す。ここが大事だ。
自分が「これは大したことがない」と思うものも、他人から見れば「金を払ってでもそれを教えて欲しい!」と思う価値があるという話は、枚挙に暇がない。
フリーランスの仕事は、常に自分の手札で最強の構成を作って他のフリーランスと勝負をし続ける、いわばデュエリストみたいなものだ。
自分がどんな手札を揃えているのかつまびらかにして、その中で一番強い組み合わせで勝負に出なければ、すでに世に数多いる歴戦のフリーランスに勝てるわけがない。
自分の手持ちカードから最強デッキを組むのだ。
徒手空拳で突っ込んでいって結果が出せるほど、フリーランスという世界は甘くない。
ということで、自分が一体どんな手札を揃え、なにを目指したいのかを明確にしよう。
ライターを始めようとしたとき、「取材ライターになりたい!」「コラムを書いてみたい!」「○○について発信していきたい!」という、漠然としたイメージを持っている人は多いが、具体的に煮詰めているだろうか。
そのまま見切り発車してしまう人はとっても多い。ばぶもその一人だった。
でも、フリーランスの世界は実力勝負の弱肉強食。搾取される側に放り込まれると、ジリ貧で体力的にも経済的にも削られてしまう。
漠然とした夢を抱いてずるずる進むより、自分の戦い方の解像度を上げ、体力があるうちにスタダをキメるのがおすすめだ。
あまりにも手札が心許ないと感じたら、一旦、定評と実績のあるスクールや講座を受講したり、キャリアプランを作って資格取得をしたり、実務経験をつけたりして、手札を揃えるのも一つの戦略だ。
最初に、あなたが医療関係や士業のような、需要が高く難関と言われる国家資格を持ち、実務経験があるのなら、その資格にまつわるジャンルを選ぶ以外の選択肢はない。
最強のデッキ構成だ。ライターとして引く手あまただし、自分で書く以外にも、監修という仕事がある。映えるポートフォリオを作って勝ちに行こう。
おめでとう。ここがゴールにして栄えあるライターライフのスタート地点だ、グッドラック。
それ以外の人は、次に進んでくれ。
現在ライターの大勢を占めている「Webライター」が執筆するWebコンテンツは、基本的に誰かの悩みを解決する存在だ。
個人が持つ悩みの多くは、以下の6つに分類できる。
この中で合致する資格があるなら、そのジャンル一点突破だ。特に、美容、健康、お金は需要が高い。
個人の健康や資産に関わるためコンテンツ作成が難しい、いわゆるYMYL(Your Money Your Life)ジャンルと呼ばれている。
薬機法や金融法、貸金法などが関わる分野でもあるので、FPや登録販売者などの資格と実務経験がある人は喜ばれる。
資格も実務経験もない場合はどうすれば…
そんなときは、上記の6つに囚われず、Googleで自分が書いてみたいジャンルについて、いろいろと検索してみよう。
ゲーム、ガジェット、パソコン、プラモ、キャンプ、DIY、料理。なんでもいい。
そして検索上位に表示されるページに書かれている内容と同じレベルの情報量を、最小限のリサーチで用意できるジャンルを選ぼう。
なぜかというと、Webライターの仕事の半分以上は、執筆に必要な資料を集めるリサーチ作業が占めるからだ。
最小限のリサーチ時間で書けるということは、一つの記事に掛かる時間を圧縮できる=時間あたりの換金効率が上がるというわけだ。
換金効率を上げるとき、一番意識しておきたいことってある?
最初は文字単価や記事単価よりも、執筆時間の圧縮と効率化を意識した方がいいかな。
文字単価4~5円の仕事を20時間かけて書いても、文字単価1円の記事を4時間で書いても、時間あたりの単価は同じなんだよね。
執筆に不慣れなうちは、書くだけで体力も使うしさ。
とにかく慣れながら執筆の時間効率を上げて、実績をつけて、それから単価を見直すのがいいよ。
自分が主戦場にするジャンルが決まったら、ポートフォリオとサンプルを作ろう。
まだ実績もなにもないのに!?と思うかも知れない。だが、未経験で実績ゼロの初心者ほど、ポートフォリオとサンプルをしっかり作り込む必要がある。
理由はとてもシンプルだ。なんの実績もないからこそ、ポートフォリオを通さなければ、あなたという人材が持つ価値が相手に伝わらない。
多くの初心者ライターが持つ市場価値は「単価が安い」だ。しかし、単価以外の市場価値を訴求しなければ、なかなか「安い」を脱せない。
あなたに案件を渡すことで、クライアントは単価以外のどんなメリットを得られるのか。それを伝えるツールが、ポートフォリオとサンプルだ。
ポートフォリオを作るときに大切なのは「あなたが今までなにをしてきたか」ではなく「あなたに頼むとなにをいくらでして貰えるのか」という視点だ。
それを踏まえて、ポートフォリオには、以下の項目を整理していこう。
仕事を発注したいと考えている相手が、ポートフォリオにざっと目を通したときに、必要な項目をすばやくチェックするように書くのがポイントだ。
項目を整理し、内容は簡潔に、箇条書きを使っていこう。
以下のような感じがおすすめだ。
サンプルテキストを作ろう
ある程度実績がある人ならまだしも、初心者ライター、未経験のライターは、クライアントから見れば海のものとも山のものともつかない存在だ。
資格などの条件は合致していても、しっかりと依頼に応える文章が書けるのか、不安要素はとても大きい。
そこで、500~1000文字程度で構わないから、しっかりとしたサンプルテキストをつくってポートフォリオに添えておこう。
書き方のコツやテクニックはこの記事を見てくれ。
書きたいと思っているジャンルで2~3本、キーワードを変えながら書いておくといいだろう。
執筆に不慣れな人は、500文字でまとまった文章を書くのも大変だろう。だが、これから先、数万、数十万の文字を打ち込む生活が待っているので、腹を括って頑張ろう。
サンプルテキストをアップする場所は、ブログでもいいしnoteでもいい。最近ライター界隈はnoteが人気だから、雑記帳を兼ねてnoteにポートフォリオとサンプルテキストをアップするのもいいだろう。
まずは肩慣らしだ。最初はクラウドソーシングに登録してみよう。
初心者が進めやすいおすすめのクラウドソーシングは以下の4つだ。
どれかひとつだけしか使えないわけではない。全部登録しておこう。
1:ランサーズ
クラウドソーシング系二大巨頭の片割れ、ランサーズ。案件は多種多様で豊富だが、システムにはこれといって飛び抜けた特徴があるわけでもないのが特徴だ。手数料は契約金額の16.5%だ。手取りは税込で支払われる。
手順に沿ってあれこれ書き込んでいくと、ポートフォリオめいたものができあがるので、初心者にはやりやすい。
案件数は多いが、地雷も多い。地雷を見分ける嗅覚がない初心者は、1円以下には応募しないでおこう。
ちなみにランサーズのロゴの槍を持った鎧の兵士は、フリーランスの語源に由来する。
2:クラウドワークス
クラウドソーシングといえば?と聞かれたら、ランサーズと並んで出てくるサービス。ランサーズ同様に案件数はとにかく多い。そして地雷も多い。ランサーズと同じく、1円以下には応募しないでおこう。
システム利用料は累進式で、10万円以下の部分は20%、10~20万円の部分は10%、20万円以上は5%だ。手取りからさらに消費税が引かれる。
案件が20万円を超えるようなレベルのフリーランサーは、ランサーズよりクラウドワークスの方がおトクといえる。
こちらもなんだかんだUIが使いやすいので、ランサーズとクラウドワークスどちらも登録して、好きな案件がある方を使おう。
3:Wantedly
上2つとは若干毛色が違う。クラウドソーシングではなく、企業向けSNSっぽい感じの求人サイトだ。中途採用から業務委託まで様々な案件がある。その中にライターが含まれるイメージだ。
SNSが得意な人は、人との繋がりを上手く使って案件獲得につなげられるかもしれない。普通のクラウドソーシングに比べると、思わぬ募集が転がっているのも特徴。
システム利用料はない。
4:ココナラ
上3つと違い、自分のスキルを売り物として出品するタイプのクラウドソーシングだ。ランサーズとクラウドワークスが攻めの営業なら、ココナラは待ちの営業になる。
とりあえず出品しておいて、様子を見るのがいいだろう。なお、おもしろい出品多すぎて見てると時間が溶ける問題がある。
登録が終わったら、さっそく応募してみよう。
ココナラは自己ブランディングによって売り上げが露骨に変わる。
SNSが得意な人の中には、ココナラ一本に絞って受注している人もいるようだ。
最初はとにかく数撃ちゃ当たる!たくさん応募しよう
基本的に、初心者、未経験者はなかなか採用されない。100回応募して1~2回当たるか否かだ。
なので、断られまくっても折れない心を持っておこう。基本的にお断りもしくは無視される。気にするな、数撃ちまくって当たりを引くまで応募しよう。応募するだけならタダだ。
たまに「たくさん応募して採用が重なったらどうしよう!スケジュールも気をつけなきゃ!」ってとらぬ狸の皮算用をする初心者ライターもいるが、大丈夫だ。大体落ちる。全部通っちゃってから考えればいい。
応募時は以下の点に注意しよう。
応募文は、正直テンプレートで構わない。
相手も応募される件数が多いので、ほとんどのクライアントはテンプレか否かなんて、いちいちそんなことを気にしていない。
大切なのは、募集内容に合致した応募であり、スキルがニーズを満たしていることを、端的に効率よく伝えられるかどうかだ。
あなたの謙遜や希望、やる気、熱意は、クライアントにとっては鼻毛の先っぽにできた枝毛よりもどうでもいい。
なお、たまにTwitterでも話題になるが、毎回手打ちで応募文書けと言い出すクライアントは、確かに存在する。
そんなやつは、手書きの履歴書を出させる前時代的な会社と同類だ。精神論の比重が高いクライアントとは、採用に至っても幸せにはなれない。捨てていけ。
応募の目安は1円以上の案件
おたよりさんがクラウドワークスのSEOライターを調査してくれたデータによると、案件のボリュームゾーンは1円~2円と4円以上にあった。
平均単価は1.6円。1円を切る案件は、実は全体に対して最も少ない。
経験が浅く、自信がないからと、自分の単価を下げて安めのところへ応募すると、逆に競合多数で蹴り落とされる可能性が高くなるというわけだ。
最初から1円以上に凸ったほうが明らかに競合が少ないが、1円以上は初心者に厳しい事も多い。
ここで、最初に自分の強みを洗い出し、ポートフォリオとサンプルを作った強みが出てくる。
多くの競合は、この記事を読んで真に受けたあなたと違って、事前の戦闘準備を整えていない。ポートフォリオとサンプルを使って存分に己をアピールし、最初から1円以上の案件を取りにいこう。
地雷案件に注意しよう
クラウドソーシングに限らず、フリーランスの案件は見渡すかぎり果てしない地雷原だ。あっちこっちに地雷案件が埋設されている。
比較的わかりやすい見えてる地雷については、この記事を参照して欲しい。
テストライティング0円や、人の心がない1文字0.1円の案件など、見えてる地雷は結構ある。
では見えない地雷は?というと、こればっかりは経験を積んで地雷を踏み、肌感覚を鍛えるしかない。
総じて言えることは、ふんわりとした夢一杯なことを言う客は大体地雷。
エージェントって言ったらIT系のエンジニアが使うんでは?と思うかもしれないが、Webライターも使う。
おすすめなのは以下の5つだ。
- レバテッククリエイター
Web・ゲーム業界のクリエイター向けに特化した案件サイト。オウンドメディア向けのWebライティングやSEOライティングの案件がごろごろしている。
ゲーム向けのシナリオライターなども含まれる。 - レバテックフリーランス
同じくレバテック系のフリーランス向けに特化した案件サイト。クリエイターとやや被りも見られるが、こちらにしかない案件も見掛ける。 - フリーランスHub
フリーランス向けの総合的な案件サイト。Webライター、ディレクターの募集が多い。レバテックに比べるとオープン案件が多い傾向。 - Crowdtech
リモートワーク向けの案件が多いエージェント。家から!!!出たく!!!ない!!!んだ!!!よ!!!というばぶみたいな人間に適している。 - ミライトマッチ
ライター専用エージェント。登録していると、唐突に連絡が来たりする。契約に至った場合、一回だけ利用料金を支払ったあと、直接契約になる。
ライターとしての経験が浅くても、他の分野での経験があれば、それを担保に打診が飛んでくることが多々ある。自分から行くだけでなく、自分を選ばせるのも結構いいもんだ。
自己肯定感上がるし、客観的に見たときの自分の評価を知れる。
SNSでも結構仕事がやってくる。なので、ライターとしてのアカウントを作っておこう。
この時にポイントなのは、同じレベルのライターをフォローしても仕方がない。割り切れ。そのアカウントはお友達を作る場所ではなく、仕事の、さらに言えば戦いの場所だ。
「初心者ライター同士、仲良くしてください><」とか「Webライターとつながりたい!」とか言ってないで、案件発注をしているディレクター、狙ってるジャンルの出版社やWeb製作会社、メディアの公式アカウントをフォローしろ。
さらに、実績を伸ばしたいジャンルの情報を発信しているアカウントにも繋がりに行け。
そしてライターであることはプロフィールのどっかやアカウント名の端っこにでも書いといて、狙いジャンルの情報をガンガン発信していけ。
有益な情報を発信する存在には、自然とその分野に関心があるフォロワーが付く。フォロワーを集めて発信力を高めることは、ライターとしての価値も高める。
そのためには、「ライターの皆さん仲良くしてください!」なんて言ってないで、自分が選んだ分野のスペシャリストにしてプロのライターというブランディングをしていこう。
ライター仲間を作るアカウントは別にわけておけ。それはそれで、「ぐあああお客様お客様お客様あぁあああ!!!」な気分を分かち合える貴重な場所になる。
私はふんわりスタートしてしまったので、実績もない、キャリアプランもない、資格もない、知り合いもコネもないのないないづくしだった。
ブランディングもしていないし、今もなにが専門かと聞かれると「雑記、かな…?」というレベルだ。
そんな過去を振り返って思うのは、スタートを切る前の準備が7割、歩き始めてからが2割、実績が増えて来てからの立ち回りが1割ってことだ。
これからライターを始めようという人、特にWeb業界でライターになろうという人は、是非、スタート前に足場がためを徹底して欲しい。
手前一寸先五尺。最初のわずかなズレは、やがて大きな差分になってくる。
私みたいな失敗を重ねる前に、一回振り返って、再スタートできる人は態勢を整えたほうが5年後楽だよお!
参考になるところだけ参考にして、よいライターライフを。
余裕ができてきたら、WebマーケティングやSEOについての知識を深めていくといいよ。
掛け算で自分の価値を高められる分野はなにか、常にアンテナを張り続けるのがフリーランスで長生きするコツ!