話題の入浴剤Barthが気持ちいいけど高いから、ジェネリックを探して比較してみた

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三度の飯と風呂が大好きなばぶです。

3年前、突如Twitterで話題になった入浴剤「Barth」

一時期入手困難になるほどの大人気だったBarth。「風呂で溶ける…」「あったまった手足が数時間ぽかぽかしてる」「汗が止まらん…」とめちゃくちゃ好評だったBarth。

今年も薬局やホームセンターで大人気だ。登場当初に比べると、60錠ぐらい入ってるでっかいやつも簡単に買えるようになった。だが、高い。めちゃくちゃ高い。

1回分356円(税込)って、入浴剤の値段じゃないだろう。あと100円出したら銭湯に入れてしまう。

「風呂のお湯に溶けるかと思った」などとばぶが語るBarthだが、成分を見る限り正直に言ってそのへんによくある炭酸入浴剤だ。

似たような成分の入浴剤となにが違うというのか?同じ成分なら、ジェネリックBarthがあるのでは?

その答えを求めて、「無香料・無着色・重炭酸」を謳う3種類の入浴剤を手に、私は風呂に向かった。

全部薬局やホムセン、家電量販店で買えるよ

3種類の重炭酸入浴剤を紹介しよう

今回の実験で使用したのは、「Barth」、「Hot Tab α」、「炭酸入浴用タブレット」だ。

正直、3つの入浴剤は見た目がほぼ変わらない。正確に言い当てる入浴剤格付けチェックができそうなレベルだ。

一番右のタブレットはテクスチャがややパサパサしているので見分けが付きそうだが、左と真ん中は光沢感も質感もよく似ている。さらに重量はすべて15g。重さで区別は付かない。

せっかくなので、どれがどのタブレットか予想して欲しい。

では、答え。

一番左がBarth。真ん中がHot Tab α。右が炭酸入浴用タブレット。

正解できただろうか。私は正直自信がない。

これが炭酸入浴用タブレット。

Hot tab α。

Barth。

こち亀の「全部同じじゃないですか」ネタを思い出すようなこの状態。はたして本当に違いはあるのだろうか。

いざ入浴実験!!

15分の温浴実験

あくまでばぶの主観で語るとはいえ、プラセボ効果があるとよろしくないので、人の手を借りてシャッフルし、入浴時間は15分。入浴後、1時間後と3時間後の体感を記録した。

では、どぼん。

この炭酸の泡が我々を天国に導くのだ…。

ところで、正しい入浴剤の使い方をご存じだろうか。炭酸系の入浴剤は、少しぬるめの40度ぐらいのお湯に、完全に溶かしてから使うのが正解だ。

なんだかシュワシュワ泡が出てるタイミングの方が効きそうな気がするが、しっかりと炭酸がお湯に溶け込むので問題ない。

Q.「バブ」を溶かしながら湯船に入ってはいけないの?

A.

溶けきる間際に錠剤が浮き上がっている時や、手に持ってバブを溶かすなど、発泡中の錠剤に顔を近づけると、まれにせき込む場合があります。表示にもあるように、バブが溶けてから湯船に入ってください。
なお、バブが完全に溶けた状態で入った方が、炭酸ガスがお湯に均一に溶け込んでいて効果的です。

https://www.kao.co.jp/bub/faq/

と、炭酸系入浴剤の覇者、花王も言っている。

ということで、実験の結果はこうだ。

商品入浴直後1時間後3時間後
Barth全身:全身がぽかぽか、汗がすごい
手 :熱いくらいじんわり
足先:熱いくらいじんわり
全身:汗は落ち着いたが薄着でOK
手 :しっかりあったかい
足先:しっかりあったかい
全身:引き続き薄着でOK
手 :しっかりあったかい
足先:しっかりあったかい
Hot Tab α全身:全身がぽかぽかする
手 :熱いくらいじんわり
足先:熱いくらいじんわり
全身:薄着でOK
手 :あたたかい
足先:あたたかい
全身:上着を着込んだ
手 :やや冷めてきた
足先:やや冷たい
炭酸入浴用タブレット全身:全身がぽかぽかする
手 :熱いくらいじんわり
足先:熱いくらいじんわり
全身:上着を着込んだ
手 :寒くはない
足先:やや冷めてきた
全身:膝掛けを追加
手 :やや冷めてきた
足先:大分冷たい

一見そっくりな3つの入浴剤。ばぶの体感では、なぜかBarthが一番ぽかぽか感が持続した。

この違いは一体何なのか。正直言ってわからない。成分は同じように見える。

具体的な違いを求め、私はじっくり観察することにした。

多分違いは企業秘密

3つの入浴剤の違い

見た目がよく似た3つの入浴剤。しかし、入浴後に続くあたたかい時間がまったく違う。

同じような成分、同じような外見。正直、同じ結果になると思っていたので意外だ。

だが、実はこの3つ、明確に違う点があった。

それは、溶けるまでの速度と挙動だ。

通常、炭酸系入浴剤タブレットは、溶け終わりが近くなるとこんな風に浮き上がり、水面でシュワーーーー…とささやかな音を立てて溶けていく。

「炭酸入浴用タブレット」は、勢いよく大きな泡を出しながら溶け、小さくなると浮き上がり、水面で泡を出しながらくるくる回転して溶けていく。いわゆる普通の炭酸系入浴剤タブレットの挙動だ。

「Hot Tab α」はそこそこの勢いで細かい泡を出しながら溶けていき、小さくなっても浮き上がらず、水の底で最後まで溶けていった。そう、浮かんでこなかったのだ。

「Barth」は静かに細かな泡を出しながら沈み、かなり長時間、溶けずに風呂の中で発泡し続ける。10分ぐらい泡が出続け、こちらも最後まで浮かんでこなかった。一番風呂に入るタイミングが難しい。

成分が似ている3つの入浴剤で差が出たのは、おそらく解ける時間の違い=重炭酸イオンがお湯に溶け込む量の差ではないかと推測した。

実際に、Barthは公式で、以下のように独自技術による製剤化を語っている。

中性重炭酸入浴剤の製剤化は二つの点から困難と言われてきました。一つめは、一般的に炭酸系入浴剤はお湯が酸性に傾いてしまうため、重炭酸イオンが溶け込みやすい状態である中性に保つのが難しいこと。二つめは、炭酸ガスを発生させる成分であるクエン酸は反応性が高くすぐに揮発してしまうため、もう一つの成分である重曹と配合して製剤化するのが大変難しいことです。BARTHはこれを独自の技術で製剤化し、また湯中で二つの成分が反応するタイミングを制御することで、お湯を中性に保ち、重炭酸イオンを豊富に長く溶け込ませることを実現しました。

https://barth.jp/shop/pages/features

なるほど独自技術じゃそりゃ違いが出るはずだ。

だがしかし、それをさっ引いても高い。どうにかしてジェネリックはないものか。

微妙に違うぞ!

入浴剤の成分を比較してみよう

ジェネリックを諦めきれない。同じ成分なら似た結果を得る方法はないのか。ということで、成分を比較してみよう。

3つとも謳い文句は「重炭酸ソーダによる炭酸浴」だ。なので主成分はどれも「炭酸水素ナトリウム」になる。

詳細な配合量は書かれていないが、炭酸水素ナトリウムが配合されているのはどの製品も共通だ。

3つの入浴剤に共通している成分

炭酸水素ナトリウム、クエン酸、PEG6000。

PEG6000は「ポリエチレングリコール」で、錠剤の成型をするのに使われる薬剤だ。

炭酸水素ナトリウムとクエン酸の反応で発泡してるから、当然、炭酸水素ナトリウムとクエン酸もすべてのタブレットに入っている。

3つの入浴剤で共通していない成分

「炭酸入浴用タブレット」

コハク酸。
外用薬としてリウマチ治療薬にも利用されていた、貝類から得られる旨味成分だ。アサリのうまみと言うとわかりやすいだろうか。

pH調整剤としても使用され、食品添加物としても広く知られている。炭酸ガスが発生する時に、水のpHを中性に調整するために添加されていると思われる。

アサリのうまみ成分と共に温まっていると思うと、なんだか味噌汁になった気分だ。

「Hot Tab α」


ビタミンC-Na、カプリリルスルホン酸Na。

ビタミンC-Naは、ビタミンCナトリウム、またの名をアスコルビン酸ナトリウム。抗酸化剤として広く使われている添加物だ。タブレットの酸化防止剤として添付されているようだ。

よくわからないのは、カプリリルスルホン酸Na。陰イオン性界面活性剤の一種のようだ。軽く調べてみたが、いまいち用途がわからない。

そして「Barth」はビタミンC-Na、他1成分

他1成分、とは…?

Barthの公式ページを調べてみたものの、他1成分の詳細はどこにも説明がなかった。法律上、企業秘密に関わる部分とかは記載しなくても良いとされるので、この「他1成分」がBarthの企業秘密であり、あたたかさが長く続く理由なのだろう。

[jinr_fukidashi2 type=”d–fukidashi-interview”]

成分表示の一番先頭に書かれている成分がもっとも含有量の多い物質になる。

これは薬機法で「全成分を配合量の多い順で記載する」と定められている表示のルールだ。

食品衛生法にも同様の規則があるので、成分をチェックする時に覚えておこう。

[/jinr_fukidashi2]
ところでイマサラだけど

重炭酸イオンってなんだ

ここまで散々出て来た「重炭酸イオン」。化学式はHCO3-。

温泉の成分だと思っていたが、実は人間の体液にもたくさん含まれている。大塚製薬によると、以下の通りだ。

人の体は約60%が水分で、健康な状態では、その体液はpH(※1)7.4程度の中性に近い弱アルカリ性に保たれています。

一方で、体の中では、糖質、蛋白質、脂質など栄養素の代謝に伴ない、1日あたり20,000mEq(※2)の酸がつくられますが、余分な酸は、腎臓の働きにより尿として体の外に排泄したり、肺から二酸化炭素として排出しています。

さらに残った酸は、腎臓で調節される重炭酸イオン(※3)と呼ばれる物質によって吸収され、炭酸になることでアルカリ性に働き、体内の酸度を下げます。

https://www.adpkd.jp/yomoyama/vol03.html

つまり重炭酸イオンは、pHを調節し安定させる緩衝液として機能しているらしい。十二指腸腺の分泌物や膵液にもたくさん含まれているそうだ。

身体が酸性になると疲れてる、アルカリ性に寄せていこう!なんてことは健康界隈でよく聞く話だが、中和に一役買っているのが重炭酸イオン君というわけだ。

そんな重炭酸イオンがたくさん溶け込んだお湯に入ると、一体何の効果があるのかというと、

大事なのは炭酸ガスではなく、「重炭酸イオン」でした

実際にドイツや大分・長湯温泉などの様々な自然炭酸泉のpHを調べてみると、6.7pH~7.1pHの中性の値を示します。このpHでは炭酸ガスは湯中に存在することができません。溶け込んだ炭酸ガスは「重炭酸イオン」に変化しているのです。この「重炭酸イオン」は、入浴した際の温浴効果と洗浄効果を高めると考えられています。血流を良くする、お肌をスベスベにする、普通のお湯に入浴するのに比べて体がより温まるなどの効果が期待できるのです。

また、高濃度の「重炭酸イオン」は炭酸ガスのようにすぐに空気中に揮発することはありません。24時間後、つまり翌日に入浴しても、その温浴効果をお楽しみいただけます。

https://tansan-tablet.com/2019/01/28/jyutansan-bathing/

ということらしい。

具体的な効果効能、健康に対する影響は大人の事情(薬機法)によってはっきりは言えないが、さら湯よりも入浴効果が期待できるというわけだ。

3つのうち、なぜBarthが一番入浴効果が長続きしたのかについては、おそらくその他1成分に含まれる企業秘密によって、溶け込んでいる重炭酸イオンの量が多いのだろう。

結局本家Barthが一番いいけど…

他の入浴剤も入り方次第

ジェネリックを探していたはずがBarthが最強という結論が出てしまった。しかし、他の2つが劣っていたかというと、そんなことはない。

入浴剤としては十分気持ちがいいし、湯上がり後の保湿、保温をしっかりすればほかほかが長続きするのは間違いない。

冬はお風呂上がりはすみやかに寝よう。それが一番だ。

Barthは飛び抜けて優れた入浴剤だが、経済的デメリットが大きい。1錠約100円×1回3錠=1日300円+消費税は、たまにならいいが習慣化するには高すぎる。

日頃は他の重炭酸入浴剤やバブを使い、特別に疲れた日のとっておきとして使うのがいいだろう。

ちなみに私は普段使いならばぶのヒノキの香りが推しだ。自宅のユニットバスがニオイだけ温泉のヒノキ風呂に早変わりする。お試しあれ。

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