おたばぶは、実は2023年5月の時点で出会って3年だ。
まるで10年来の友達のように仲がいいし、日々、結構な時間を共有して過ごしている。
いい歳して時々喧嘩もするが、私がおたよりさんという人物にべた惚れなのもあって、基本的にとても仲がいい。いわゆる、大人になってからできた親友というやつだ。
そんなおたよりさんとの出会いや、おたよりさんによってばぶの生活が建て直された話は以下の話を見てもらうとして。


ライターでコンビを組む人は珍しい。いないことはないのだろうが、都合2年ほどライターを装ってTwitterをやっている中で、見掛けたのは営業とライターのコンビ1組だけだ。
なので、珍獣でも見守るようなやさしいまなざしで、おたばぶ(の主にばぶ)を見ている人もいるだろう。
そこで今回は、まむしさんの以下のパスに対して、フリーランスが仕事の相棒を持つことのメリットとすさまじいリスク、そして相棒探しのポイントを紹介しよう。
染み入る。そして今のところ僕はやっぱりサラリーマンライターだなぁとも。おたばぶさんの場合ユニットを組むことでまた新しい働き方を生み出しているようにも見え、その辺の実情とか、相方探しのコツなども伺いたい。 https://t.co/tDXV23bvaD
— まむし🐣編集者の生存戦略 (@mams428) February 2, 2023
と思ったんだけど結論から先に言おう。
おたばぶは100%利害の一致。
運命の出会い!キラキラしたエピソード!素敵フレーバー!…は、実はなにもない。
私とおたよりさんは一緒に遊びたかったし、時間と経験の獲得、学びの機会という利害が完全一致したのがおたばぶだ。
そして利害は、おたばぶの場合は「時間と経験」だったが、通常、多くの場合で「金銭」だ。この点を踏まえて読み進んで欲しい。
おたばぶは業務全体を二人でやっている、二人三脚のコンビだ。実は、この状態は最終形態に近い。いきなりクライマックス、ファイナルフュージョンだ。
二人で仕事をするから、一人で仕事をしている人に比べると対応できる仕事量も多いし、レンジも広い。できることも多い。雑談もほぼすべてブレスト状態だ。
なにより、守秘義務が発生する内容について共有できる相棒の存在は心強く、メンタル的にも救われる。
とはいえ、誰しもがこの段階の相棒を持つのに適しているわけではないし、やって欲しいことは実はそこまでズブズブの関係にならなくてもいいレベルだったりする。
ざっくりと3段階に分けて、RPGのキャラクターに例えて考えるとわかりやすい。
それぞれの段階を見ていこう。
ライターとしての仕事や営業は自分がやるから、事務や経理の一部を頼みたい。秘書的なことをして欲しい。という段階は、ここ。
ゲームなら街の便利屋さんや、旅の途中に現われる行商人。旅に加わって一緒に戦ってくれるわけではないが、旅を便利にするお助けキャラの立ち位置だ。
フリーライターの多くは、相棒といってもこの段階を欲しているんではないだろうか。
スケジュール管理をして、月末に整理して請求書を作って出して置いて欲しい。経理やメール対応、アポ取りもして欲しい。
そして、自分はひたすらに書くことに集中させて貰えれば…というやつ。
このレベルなら、オンライン秘書がいい。オンライン秘書サービスを使ってもいいし、ココナラやTwitterでオンライン秘書を探すのもいいだろう。
それぞれに別の仕事もするが、一部の案件はお互いにスキルを出し合って対応したい。そこを強みとして売っていきたい。というのがこの業務提携レベルだ。
ゲーム的に言うなら、要所要所で仲間になって力を発揮してくれるが、ずっと旅に同行してくれるわけではない味方キャラのポジションだ。
1の外注レベルよりも仕事に食い込みはじめる。この段階でも一応は、自分が主であり、参画する人を従とすることで、関係性や報酬についてはコントロールしやすい。
個々の案件に対して力を出し合う関係だから、それぞれ、別途事務や経理は外注してることもある。
気が合う同士で組んで仕事をするなら、このくらいの距離感が一番平和で、トラブルも少ない。案件の最中になにか問題が起きても、終わった段階で関係を清算すればいい。
俺とお前は運命共同体。おたばぶはここ。
ゲームならずっと旅の最後まで一緒に歩み続ける、旅の仲間だ。基本、離脱はないポジションと思っていい。
フリーランスなら、すべての案件に対して、ツーマンセルで対応する。二馬力かつ別ジャンルのスキルを持つ二人が揃うので、たとえライター×2でも、掛け算で実力を発揮できる。
さらに守秘義務の発生するありとあらゆる内容を共有して、一緒に悩んだり愚痴ったりできる。
まさに唯一無二の半身。
ただし、通常は報酬の件で揉める確率が高い。契約書をキッチリと交わした上で、相手にはいつも感謝の気持ちを持ち、最推しとして大事にしていこう。
なにを差し置いてもおたよりさん最優先で至上主義なばぶと、ばぶと遊ぶ時間と好奇心を満たされることが優先で報酬は気にしてないおたよりさん…という組み合わせは、例外中の例外だ。
あと、おたばぶでは秘書的ポジションをおたよりさんが担ってくれているが、場合によっては外注ポジのオンライン秘書を導入した方が良かったりもする。ケースバイケースだ。
欲しいのが相棒未満なら、要件にあう人を何人か見繕って見積もりを貰い、面談して、相性の合う人を選ぶのがいい。
リストとしてできることに並んでいても、人は得意不得意がある。その上で、さらに相性の良し悪しも重要だ。
オンラインやオフラインで話をして、何度か交流を重ねた上で、条件にお互い納得したら組めばいい。
では、おたばぶのような共同経営者レベルの相棒を持つにはどうすればいいのか。
一度経営統合してしまった会社が「やっぱやめた!」といって以前の姿に戻れないように、一度コンビを組んで仕事を始めてしまうと、それを前提とした案件が増えてくる。
「気が合わなかった」などの理由であっさりわかれることになると、片方、あるいは両方、仕事や人脈を失うことになる。
フリーランスの相棒選びは、結婚相手を決めるのに近い感覚だと思った方がいい。
一体どんな相手を選べばいいのか。
実は、経歴やスキルレベルは、案外どうでもいい。おたばぶだって、お互いに持っているスキルの方向性は違うし、経歴も仕事の業種、職種もかけ離れている。
スペックで選ぶなら、きっとお互いに仕事の相棒になろうとは思わないだろう。
結局のところ、大事なのは人間的相性だ。
要するに、人としてべたべたに惚れている最推しである必要があるってことだ。
ばぶはおたよりさんに対してべた惚れであり、おたよりさん最高!!と言ってはばからないし、隙あらば惚気る。心底素晴らしい人だと思っている。この記事だって実質おたよりさんへのラブレターだ。
逆に言えば、ここまで入れ込める相手でないのなら、一定の距離を保ち、業務提携に留めておくのがいい。
そしてもし推し相手ができたなら、一つ、とても大事なことがある。
相手にも自分にも期待しない。
これが一番大事だ。
期待すれば、必ず自分自身の期待に裏切られる。がっかりが発生すると、人間関係の寿命を縮め、せっかくの出会いをドブに捨ててしまう。
私もおたよりさんがずっとそこにいることを期待していないし、おたよりさんも私になにか期待することはない。ただし、自分から言い出した約束は自分の信念として守る。
これが安泰な関係の秘訣だ。
というわけで、ここまでをまとめての結論だ。安易に相棒を持つことはおすすめしない。
ほかの方法では得られない大きなメリットがある代わりに、失敗したときに取り返しが付かないダメージを負う致命的なリスクがある。
その上で、メリットについても触れていこう。
一番大きなメリットは、経済的、精神的な成長だ。
まず、二人でいるとブレストできるから発想が広がり、違う目線からの提案で視野が広くなるという点だろう。
どうしてもその業界に長いと、次第に気付かないまま、視野狭窄に陥る。
Webライターだと、ライター業界、Webコンテンツ業界では当り前でも、それを受け取る外側の目線に疎くなりがちだ。
単価ひとつ取っても、当り前のように文字単価を受け入れているが、ライターの世界を知らない人からは「え、1文字何円、ってなにそれ…?」ってかなり引き気味な反応をされる。
そういう感覚を二人でキャリブレーションしながら、その先まで展開を話し合えるのはかなり大きい。
ついでにアンテナも2本になるので、別方面からさまざまな情報を二人がかりでキャッチアップして、知識や技術を貯えていける。
そして、二人だから単純に作業量も一人より増える。得意分野をお互いに偏らせることで、単純な2倍ではすまないことも多い。
おたばぶも得意分野は違うから、それぞれの得意に絞ることで作業効率は高い。
時間単価も上がるし、品質も上がる。とにかく応募して受注して仕事を…って単純な状態から、さらに上のレイヤーで営業戦略を考えることもできる。
おたよりさんは、そもそもまったく文章とは関係ない業界のフリーランスだ。私が泣きつくまで、「本は読まない」と言うくらい文章と関係ない世界にいた。
なので、普通の編集と彼女の編集は、並べると違う部分が多い。
例えば言葉の並び、母音のバランス、頭の中で音にしたときスムーズに入ってくるリズム。文法や言葉の正しさ、Webの書き方のセオリーと離れたものを、私にもたらしてくれた。まさにエポックメイキングだ。
自分にはないもの、持ち得ない要素、あるいは努力をしても見合っただけの効果を得られないもの。
それらを互いに与えあうのが、相棒という存在の非常に大きなメリットだ。
フリーランスにとって、唯一無二の相棒は最高のパートナーと言える。そこに巨大なリスクがあろうとも、メリットは大きい。
とはいえ、誰もが相棒を持つ必要があるかというと、説明したとおり、案外そうでもなかったりするわけだ。
そもそも、「他人と摩擦係数が高い接点をたくさん持ちたくない」という理由でフリーランスになった人もいるだろう。
自分が欲しい「手伝ってくれる誰か」のポジションや得たいメリットと、リスクの落としどころをしっかりと考えて、相手を作るといい。
正直、相棒という存在は、べた惚れで四六時中接点があっても苦痛ではないほどでないと、デメリットやリスクの方が大きい。
オンライン秘書や仕事仲間ぐらいの距離や比重のほうが、意外と長続きすることだってあるし、メリットの大きさの割に、リスクも小さい。
そんなわけで、「おたばぶみたいな相棒欲しいなー」と思う人には、私はまずはオンライン秘書からおすすめする。
案外その出会いが、生涯にわたる仕事のパートナーとの出会いになるかもしれないしね。