【Webライター】ファクトとエビデンスってなんや!?意味の違いと役割について解説する

ばぶ

Webライターをやっていると、よく「ファクトしっかりおねがいします」とか「数字には必ずエビデンスを付けてください」とか言われることがある。

ところで、ファクトとエビデンスの違いって、知ってるだろうか。

「え、よくわからん、知らんけど、内容が正しいかどうかの資料…?」くらいにふんわり着地してる人、案外多いだろ。私もそうだった。

意味の区別せずに使ってるディレクターも多いだろ。絶対そう。(ばぶ調べ)

でも、ファクトとエビデンスって、全然違うんだってよ、まじかー…。

ファクト(fact)は事実、エビデンス(evidence)は証拠

他の業界は知らんけど、Webライター界隈ではちょくちょく混同されがちなファクトとエビデンス。

大辞林曰く、ファクトは「事実、実際」、エビデンスは「証拠、証言、根拠」

つまり、ファクトは「事実」で、エビデンスは「事実の証拠や、証明をする資料」ということ。

我々Webライターは、事実として書いた内容(ファクト)について、それが事実であることを示す資料や論拠(エビデンス)を添えて提出する。

校閲担当の人は、添付されたエビデンスを見ながら事実確認(ファクトチェック)をするわけだ。

例を挙げると、こんな感じ。

ばぶは日本国民である。

ファクト:
ばぶは日本国民である。

エビデンス:
資料として添付した戸籍謄本によると、1979年10月16日に、日本国籍を有する父母のもとに誕生した。誕生時から日本国籍を有しており、現在も他の国への帰化は行っていない。

国籍法第二条第一項に照らし合わせ、法律上、日本国民と定義される。

ファクトチェック:
添付された戸籍謄本をもとに、本当に該当する年月日に産まれているのか、また父母の両方あるいは片方が日本国籍を有しているのかを確認する。

同時に、国籍法を再度確認して、エビデンスとされている日本国民の要件定義の解釈に誤りがないかチェックする。

ファクトチェックの手順と重要性については、こっちを見て欲しい。

エビデンスには一次情報を使う

エビデンスとは事実を証明するための論拠なわけなので、基本的に一次情報を使う

はい、ここで聞き慣れない「一次情報」という単語が出てきました。こいつはライター初見殺しギミックです、テストに出るよ。

一次情報とは、政府・官公庁などの公的機関が発表している資料や、研究機関、あるいはその分野における最先端技術を発表している学術誌の掲載論文などを指す。

要するに、簡単に言うと「オリジナルのデータ」ということ。

「~って、私の彼氏のお姉さんの友達のお母さんが言ってて」…なんて話、誰が信用するだろうか。これはWebライティングでも一緒の話。

ファクトを信頼できる情報にするためには、一次情報をエビデンスとして添えよう

ところで、Googleで検索したからと言って、一番上に出てきている情報が一次情報とは限らない。出典不明の孫引きデータを、ドヤ顔で掲載してることはめっちゃ多い。

手抜きして孫引きをさらに引用すると、確実に事故る。一次情報は基本的に、政府・官公庁や研究機関、論文から探そう。

エビデンスのための一次情報がわからん時はここを見よう

・法律:「e-GOV 法令検索」

法令のデータを検索できる優れものだ。憲法、法律、政令、勅令、府省令、規則が検索できる。さらに廃止された法令や、略称法令の一覧もある。

goドメインでおわかりの通り、政府のサイトだ。デジタル庁が電子政府政策の一環としての作ったサイトなので、これ以上の一次情報はない。

・統計データ:「e-Stat 政府統計の総合窓口」

e-Statは各省庁が発表している統計データを一カ所にまとめて、検索しやすく整理したポータルサイトだ。検索以外にも、地図上に表示したり、統計名がわからないときも分野や組織から絞り込みができる。

一部に神Excelがいること以外は、統計データを探すならここが一番便利だ。

・論文データ:「CiNii (NII学術情報ナビゲータ[サイニィ])」

CiNiiは論文や図書、雑誌、博士論文などの学術情報を検索できるデータベースだ。研究データやプロジェクト情報なども検索できる。

科学的な論拠を求められたが、どう探しても一次情報がないぞお!!というときは、大体論文にある。論文を探して、コメント欄にべったり貼り付けてやろう。

一次情報がよくわからないものの場合は?

なんでもかんでも公的機関から一次情報が発表されているとは限らない。

例えば、雪道での車の制動距離について、エビデンスを提出してくださいと言われたら、どうすればいいだろうか。

答えは「その業界のトップシェア企業のサイトへ行き、検索する」だ。

大手企業のファクトチェックはそれはもう細かく厳しい。あと、業界の外にいると知らない業界団体のデータを引用してたりする。その情報を頂戴するわけだ。

先ほどの例だと、「ブリヂストン 雪道 制動距離」で検索すると、以下のページが出てくる。

すると、掲載されているデータに「社団法人日本自動車タイヤ協会「スタッドレスタイヤの手引き」より」と引用元が記載されているのがわかる。

つまり、この業界で信用できるデータを公開しているのは、「社団法人日本自動車タイヤ協会」だ。

あとは「社団法人日本自動車タイヤ協会」を検索して、該当する情報を探せばいい。今回は下記のページにデータが見つかった。

Wikipediaはエビデンス探しには使える

Wikipediaは不特定多数が編集できるため、エビデンスとしては使えないと言われている。記事にもよるが、確かに質はまちまちだ。

では完全に使えないかというと、そうでもない。

Wikipediaに掲載する内容には、必ずエビデンスを添えることがルールで定められている。そのため、エビデンス探しにはもってこいだ。

海外のニュースやデータベースなんかも載ってる。すごいなマニアの方々。

Wikipediaそのものをエビデンスとするのは難しいが、使いこなせば強い味方になってくれる。

間違った情報を「事実」として流布しないために

まとめると、エビデンスはファクトを証明する情報ということ。

ドヤ顔で「これのファクトってなんです?」って聞いてくるやつがいたら、「そのファクトのエビデンスはこちらです」と笑顔でマウントとりながらネチネチ訂正してやろう。

まあ、ファクトチェックは正直言って面倒くさい。超面倒くさい。だが、これはもう情報を発信する者の宿命だ。

WebライターとしてSEO記事を書いていると、たびたび、自分の書いた記事が上位表示されることになる。

一般の人がそれを見たとき、自分が書いた情報が間違っていたら。それがあたかも事実として広まってしまったら。

一体、誰が一人ひとりに訂正できるのだろう?

私たちの仕事は、常にその責任と背中合わせだ。言葉とデータは正しく使っていきたい。

ので、「ファクト付けてください」って言った編集者は全員、そこに正座な。

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おたばぶのばぶの方。残念なIT系ライター。朽ちゆく廃墟やスチパンが好き。FF14にどはまりしている。
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